2020-04-12 狭薄山

【山名・コース】 狭 薄 山  

【期   間】 4月12日(日)

【形態】(A)・  C ・ P ・ 他

【性別】 男性 4名  女性2名

【メンバー】 CL二 佐々 佐(智) 塩 多 佐

【山行形態】 尾根  縦走 沢登り 岩登り 登攀 山スキー 

【地点時間】〔記録者〕 佐(智)

6:40望岳橋出発→10:45山頂到着→11:15下山開始→14:40望岳橋到着

【短信・感想】                      会員 佐(智)

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 いつも尖って見えるピラミダルで特徴的な山容、眺めるごとに登ってみたいと思っていた狭薄山。登山道は無く、夏であれば沢から詰めて藪漕ぎをするか、冬の笹が埋まった時期を狙って雪を踏んで頂きに立つしかない。

距離が長く天候が悪いと厳しい山になり、冬の単独での山行も躊躇していた。

そこにNHさんが狭薄の山行を立ててくれたので満を持して参加を表明する。

当初19日で計画されていたが今年は雪解けが早いので1週間早めて12日に決行となった。望岳橋を越えた駐車スペースに車を停め登山の準備にかかる。

NHさんの山行に参加するときは晴れることが多いので期待していたが、今日も好天が望めそうだ。いきなりの急な下りで始まるのでNHさんの指示でアイゼンを履いて6:40出発。時間も早いので雪も締まっておりアイゼンが良く雪に噛む。

急斜面を下り切って一つ目の橋を渡り漁入林道を進む。ヘアピンカーブには進まずショートカットし二つ目のけいかん橋を渡ったところで尾根へと取り付く。このコースは、結構登山者が入っているようでトレースがしっかり付いている。

陽の当たる斜面のようで雪解けが早く笹が顔を出し始めており、雪の残っている場所を選びながら進む。作業道と思われる杣道を二つ程跨ぎトラバースしながら急斜面を登り切るとあいまいだった尾根がはっきりしてくる。

尾根を進んで行くと南方向の林間から徳舜瞥山やホロホロ山が見えるようになる。

さらに進むとコンタ880mあたりから開けた疎林となり、だらりだらだらの雪原歩きとなる。

陽が差し込む白樺の疎林を闊歩するのは気持ちよく空が抜けるように青い。

疎林帯を抜け1036mポコに着く、ちょっとした見晴らし台のようになっており、胆振の山を眺めながら休憩をとる。

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ここから山頂までどのくらい時間がかかるかという談議で急登に見えるが「40分というところ」とのこと。

NHさんが「まだ時間もあるし折角の好天の春山、ゆっくり行こう」ということになる。

休憩をして再び歩き出すと狭薄山がドーンっと現れる、その佇まいが良い。

このポコから山頂まで細尾根が続く、一旦下って登るが見た目より安定した尾根だ。

目標が見えると登る気力が湧いてくる、太陽に背中を押されるように前へ前へと登っていく。振り返ると羊蹄山が壮麗な姿で佇んでいた。

10:45山頂に到着。

山頂からは、これぞまさに360°のパノラマという絶景が広がる。

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目の前に広がる素晴らしい眺望に興奮してカメラを手に持ち写真を撮りまくる。

白井岳から喜茂別岳までの連なりが一望、ニセコ方面も羊蹄山を中心に主たる山々が見渡せ、遥か遠くの昆布岳まで確認が出来た。

支笏湖方面は去年登った漁岳、小漁岳が望め、その後ろに猫耳のような恵庭岳が見える。

その左に目を移すと空沼から札幌岳へと続く尾根の連なりが続く。

圧巻の眺め、これだから山登りはやめられない、興奮してる所為か不思議と疲れは無い。

山には眺めて良い山と登って良い山がある狭薄山は、その両方を兼ね備えた山だった。

穏やかな山頂で昼食をとりながら、飽かず景色を眺める。

お腹も心も満たして11:15下山となる。羊蹄山を眺めながら「なんと贅沢なんだろう」とニコニコで下る。

下山は早くザックザックと下りあっという間にコンタ750mまで下って来た。

温度も上がって来て段々雪も腐り出しズボズボ抜かり出す。SSKさんがズボっと踏み抜きボキッと音がした。お尻でポールを踏んだようでポールが折れてしまった。

尾根を下り終え林道歩きとなるが、登りではあまり意識しなかったが下りは長く感じる。

長い林道歩きを終えて最後の試練、急斜面の登り返しとなる。

 急登に入る前に水分補給で一息入れる。登る前はみんな「最後にキツイな」とか「ゆっくり登ろう」などぶつぶつ呟いていたが登り出すとみんな力強く登っていく。

急登を登り切り14:40駐車スペースに到着、休憩も含むがほぼ8時間の山行だった。

最初から最後までアイゼンを付けたままで通した。

登りごたえのあるロングコースを無事に終えた安堵感と素晴らしい眺望、念願かなっての充実した山行に大満足。

ここのところコロナで自粛自粛と鬱々としていたが今回の山行で心のガスが晴れ、澄みきった気持ちで帰路に就いた。