【山名・コース】羅臼岳(1660.2)、硫黄山(1562.5m)
【期間】 2020年7月18日(土)~7月21日(月)【天候】 快晴
【形態】 (A)・ C ・ P ・ 他
【性別】 男性2名 女性1名
【メンバー】 CL納、SL厚、武
【山行形態】 尾根 (縦走) 沢登り 岩登り 登攀 山スキー スノーシュー
【地点時間】〔記録者〕 武
18日(土)武宅8:00→納宅8:05→厚宅8:25→15:00知床ビジターセンター→
15:40国設知床野営場バンガロー(バンガロー泊)
19日(日)木の下小屋登山口7:11→650m岩峰8:58→弥三吉水9:23→極楽平9:49
→銀冷水10:54→大沢入口11:25→羅臼平12:26→岩清水13:17→
20日 (月)羅臼平6:15→三ツ峰露営地6:48→オッカバケ岳10:32→サシルイ岳西峰12:50
二つ池露営地12:11→知円別岳分岐14:53→硫黄山露営地分岐15:30→
硫黄山露営地前ビバーク17:00(テント泊)
21日 (火)硫黄山露営地前8:50→硫黄山露営地分岐9:38→硫黄山10:15→硫黄沢出
合11:17→新噴火口13:51→硫黄山登山口15:26→知床第一ホテル19:15(ホテル泊)
【短信・感想】 武
今回の道東山行は、7月18日(土)~26日(日)の9連休に納さんが募集人の
山行計画であった。
前半の羅臼岳~硫黄山縦走を納さんがCL,厚さんがSL,武の3人の山行。
後半は武がCL,納さんがSLで厚さんが帰札し、佐(俊)さん、津さんが入れ替わりして斜里岳、雄阿寒岳、雌阿寒岳、阿寒富士に登る計画。
北海道にある日本百名山を3ヶ、北海道百名山2ヶを9日間で登る事になります。
私にとって羅臼岳は25年前のお盆に1回しか登った事がなく、硫黄山までの縦走路は未知の世界であった。
前回登った時は木下小屋に泊まり、小屋の親父に熊情報を聞きながら、熊との遭遇に合わぬよう、びくびくしながら登った事が思い出される。
7月18日(土)
午前8時に札幌を出発し、国設知床野営場バンガローに向かう。
バンガローでは、夕陽台にて夕日を見ながら太陽が海に沈むのを堪能し、明日からの山行の安全祈願の乾杯をして眠る。
7月19日(日)
快晴の中、木下小屋の登山口を午前7時11分出発し入口にある神棚に3日間の安全祈願をする。気温も高く3日分の食糧とテント泊装備のリユック為、足の進みが遅く後発の登山者に続々と抜かれる。弥三吉水、まで一汗、二汗もかく。
大沢入口では、お花畑に心を奪われ、各人足を止めて写真を撮る。
エゾツツジ、エゾコザクラ、ウコンウツギ、エゾカンゾウ、アオノツガザクラ、タルマエソウ、等我々を向えてくれた。
午後12時26分に羅臼平に着く。フードボックスに食糧を入れ替えてリユックをデポして羅臼岳に登る。途中岩清水でポタポタと落ちる程度の水を飲む。25年前は岩壁から何筋も糸状に流れ落ちる湧水であったが時代と共に変わるものである。
羅臼岳山頂は到着時間が遅い為が、本州の若者が1人しかいなかった。
山頂からは雲ひとつない快晴の中、北方領土を始め硫黄山方面、知床岳方面360度全て見る事ができた。
羅臼岳を下山途中水確保が不安の為、ポタポタと落ちる程度の岩清水で2リッターのプラティパスに40~50分かけて6リッターを確保する。
1日目の宿営予定地は三ツ峰露営地であるが、水確保が難しいので羅臼平の野営地に変更。
デポしたリユックを見た厚さんが奇声を上げた。厚さんのリユックのベルトのサイド収納部と上部の上蓋の収納部のチャック毎が喰いちぎられ、食べ物が散乱して半壊した状態である。
全員食糧をフードボックス(ステンレス製の丈夫な収納箱)に入れたはずだが、厚さんは一部の食べ残しのおやつや、アミノバイタル等を残した為、動物(狐?)にやられたと思われる。
納さんのリユックも1ヶ所喰われた。私は全ての食糧(行動食、飴、等)をフードボックスに入れた為、被害は無しであった。
3人は気を取り直し、テントを設営にとりかかる。羅臼平の野営地から300m奥の雪渓に水確保の為、厚さんと私が行ったが500m先の雪渓の末端部で母熊と小熊2頭が雪渓と交差するように移動した状況を目撃した為、水を取らずに引き返しCLに報告する。
フライシートに鈴を2か所取り付け、熊対策をして寝る。
7月20日(月)
午前3時50分起床し、羅臼平を午前6時15分出発する。三ツ峰野営地に6時48分、オッカバ岳に10時32分到着。三ツ峰~オッカバケ岳にかけては花畑で足を止めて写真を撮る。
(チングルマ、チシマノキンバイソウ、トカチフクロウ、エゾカンソウ、等)
朝は曇り模様であったが昼ごろには快晴になり汗ばむ気候、今日のルートは羅臼岳に比べて登山者も4~5人しか合わなかった。
厚さんの知床山行の目的であったシレトコスミレの再会は、花の時期は終っていて花のないシレトコスミレの株のみが多数あった。
(厚さんは6回目の山行との事で、今回は1輪のみ花の写真を撮る事ができた。)
硫黄山前のがれ場を慎重に通過し2日目の硫黄山野営地に向かう。
急ながれ場が終わり緩やかな登山道を下山中、厚さんが浮き石に足をのせた事により転倒し右足くるぶしの骨折をする。2回転して止まり岩場方向でなく草むらに倒れていたのが足の骨折だけてすみ不幸中の幸いであった。
歩行が不可能の為ヘリを要請した。20日(月)午前8時30分ヘリで斜里の病院に入院する。
7月21日(火)
3日目も快晴で雲ひとつ無い、気温が上がりそうな予感。
厚母さんをヘリで搬送後8時50分出発し、硫黄山露営地分岐9時38分、硫黄山に
10時15分に到着する。硫黄山はロックライミングもどきの急な岩登りで、リユックをデポして空
身で慎重に納さんの後を追うが下山が心配。
硫黄山の下りはルートが不明瞭で下り始めで10mルートを間違える。登り返しをして90度
近く左側が正規ルートでした。
硫黄山出合い11時17分、新噴火口13時51分、硫黄山登山口15時26分に下山。
気温が高い為2リッターの水を1時間前に飲み干し下山中が辛い。
木下小屋の車を回収後、厚さんが入院している斜里の病院に行き、知床第一ホテル
に19時15分に着き全員が無事揃う。
厚さんは7月22日(水)午前9時に帰札しました。
ヘリ要請等については百松山岳会及び関係各位にご心配をかけまして申し訳ございませんでした。
今回の山行は、3日間天気も良く未知の世界を堪能した知床岳~硫黄山縦走山行でした。CL,SLありがとうございました。
【ヒヤリハット】
浮き石に足を乗せた為、転倒による右足くるぶし骨折:
1、縦走による疲労
2.がれ場からの緊張感の解放
3.リュックの重み