【山名・コース】樽前山 (1041m)
【期間】 2020年 11月 23日 (月) 【天候】 晴れ
【形態】 A・ (C) ・ P ・ 他
【性別】 男性 2名 女性 3名
【メンバー】 CL:S入 SL:T田 S藤(J) I田 Y川
【地点時間】 〔記録者〕会員№358 Y川
8:00第一ゲート(支笏湖畔近く)→8:50第二ゲート(道道141号との分岐)→
9:40七合目ヒュッテ→10:35風不死岳分岐→11.25北山(932峰)山頂→
13:00東山山頂→14:00七合目ヒュッテ着14:10→14;45第二ゲート→
15:55第一ゲート(下山完了)
【短信・感想】 Y川
今年は11月9日から道道141号は閉鎖されている。S入さんが、「樽前山で、この時期ならではの絶景が見られる!」との事で、山行を計画してくれた。まずは第二ゲートまでの3.7キロの舗装道路歩きからスタートした。1時間弱で歩き、次は七合目ヒュッテまでの2.6キロの立派な林道歩きである。先行者は一人だけのようである。足跡でわかる。雪は路面に3㌢程度積っているだけで歩きやすい。
七合目ヒュッテから風不死岳方面に歩き出すころは、青空も見えるようになり、太陽がまぶしい。
10㌢程度の積雪でつぼ足でも十分に歩きやすい。樽前山の外輪山の表面は細かな沢地形が連なっており、デコボコしている。このデコボコに雪が薄らと積り、その後、太陽があたると雪のある凹部と雪のない凸部が白黒のシマウマのような模様になって美しいとS入さんは言うのである。ぜひ見たかったが雪が微妙に多かったのか、太陽の当たり方が少なかったのか、外輪山はとてもきれいな真っ白の山肌を見せていた。支笏湖の上には雲が厚くかかり、湖面は暗い冬色をしているが、風不死岳山頂は太陽があたり光輝いている。
東山山頂付近では雪煙がみられ、強風が予想される。これだけでも十分に11月中旬ならではの樽前山の風景であった。
風不死岳分岐あたりから勾配がきつくなってくるのでアイゼンをつけて登っていった。気温は2~3度程度である。この程度の気温だと、風がなければアンダーシャツとメリノウールのシャツだけで十分である。考えてみれば9月頃と着ているものは変わっていない。ザックの中の保温着が変化しただけである。
北山(932峰)で昼食予定であったが、支笏湖から遮るもののない山頂は風が強く、少し降りたところの南斜面で食事をとることにした。
その後、西山と東山への分岐のコルまで下り、東山への斜面を登って行く。大きな溶岩ドームについて色々と話題にしながら歩いていると、溶岩ドームが大きく2つに割れている事に気がついた。「前に登ったときは、このような亀裂はなかった!」と誰かが言った。何か最近崩れたような表面の荒々しさも感じる。誰もその場では、じっと見つめるだけであったが、帰宅後あらためて地図を見ると、この大きな裂け目は地図にしっかりと記載されていた。人の目というものはいい加減なものである。見ているはずなのに、「見ていない」と思い込むことが多々ある。同じものを二人で同時に見ていても、ある人には見えて、ある人には見えない事がよくある。どうも脳というものは見えるものを記憶するのではなく、見たいものを記憶する事もあるようである。つまり真実は一つではないと言うことである。人により真実は異なる。
東山近くまで歩いてくると足跡が増えてきた。七合目ヒュッテから直接東山へ登るメインルートの登山者は何人かいるという事である。東山山頂付近では風速10㍍程度の風が吹いていた。写真だけ撮りすぐにヒュッテに向けて下りていった。「到着っ!」と思いたいところだが、あと6.3キロ歩かないといけない。休憩も兼ねて、まだ誰も中に入ったことのないヒュッテに立ち寄ることにした。s入さんが管理人の方に「これどうぞ!」とお菓子を差し出すと、「ありがとうございます。コーヒーでもどうですか?」と優しい言葉が返ってきた。ヒュッテの中だけを見学させてもらう事にした。壁に沢山の写真がかけられたきれいな山小屋であった。
6.3キロの長いはずの林道歩きは、電動自転車の話題で盛り上がり、あっという間についてしまった。電動自転車は山行のときにも旨く利用する事ができる。道道141号は3年4月19日に閉鎖解除となるので、4月10日から19日あたりは電動自転車で6.3㌔を往復すると静かな春の樽前山を楽々、堪能できる。「神威岳へのウド採りにも使える!」とI田さんが言っていた。いろいろと考えてみると面白い