2021-7-18 ラルマナイ川支流金山沢遡行

【山名・コース】ラルマナイ川支流金山沢遡行

【期間】    R3年7月18日

【形態】    A・ 【C】 ・ P ・ 他

【天候】    晴

【性別】    男性2名 女性1名

【メンバー】  CL 古 SL 塩  吉K

【山行形態】  尾根 縦走 【沢登り】 岩登り 登攀 山スキー 

【地点時間】 7:20国道453号山水橋横の林道取り付き   7:50 金山沢出合より入渓 

       9:30~11:00 大滝 12:30遡行終了林道へ 12:50国道

【記録者】   358 吉K

【感想文】   358 吉K

帯広で37.5度の日本列島最高気温を記録したその日、3人のメンバーでラルマナイ川支流金山沢にチャレンジした。国道453号の山水橋手間の林道歩きから始まるのだが、この山水橋周辺は河原でのファミリーキャンプに打って付けの場所で、既に多くの車が乗り入れていた。それらの車の隣に駐車し、林道を歩き始めるが、気温が高くなる気配が濃厚で、既に暑くてしかたがない。

この沢は思い出の沢である。百松で何度か行っているが、私が参加したのは2019年9月の山行だった。この沢には20㍍程度の大滝がある。ベテラン勢が果敢に突破を試みるも跳ね返されている。

今回も2年前と同じ佇まいで我々を迎えてくれた。滝の3分の2くらいまでは登れるのだが、残りが難しい。一度落ちたら大怪我間違いなしの滝だから、迂闊にチャレンジできない。

今回の沢遡行にはもう一つテーマがある。塩ちゃん提案の「ソーメンパーティー」を実施する事になっている。パーティー場所を物色しているうちに大滝の下まで来てしまったので、ここでパーティー実施を決定し、塩ちゃんは準備を始めた。その間、古さんはロープを肩に掛け、再度ルート調査に向かった。まずは滝の右端の水の激しく流れている岩の溝の突破が考えられる。水を頭からかぶりながら、前回より少し水量は少ないし、何とか行けるかもしれない・・と思う。古さんはこの箇所を観察後、滝中央の苔むした岩に水平移動した。水平移動と言っても滝壺から高さ10㍍位はある。たしかによく観察するとここまでは行けそうだ。しかしこの苔むした垂直に近い岩をなかなか登れない。頭大の岩が時々滝下に落ちてきている。もろい岩もあるのだろう。かなり格闘したが、今度は滝左側に移動。ここも困難を極め、再度、滝中央の苔むした岩に取り付く。長時間格闘の末、ついに滝中央からこの大滝を突破することに成功した。

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しばらくすると古さんは、滝上にロープを固定し、滝の右端を懸垂下降で下りてきた。塩ちゃんのソーメンは準備万端である。6束のそうめんは3人の胃袋に瞬く間に吸い込まれていった。沢とそうめんは非常に相性のいい組み合わせだという事を、今日初めて知る事ができました(笑)。

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次はいよいよ3人で登る番である。ロープは滝の右側部分に垂れているので、一昨年突破に失敗した箇所をロープを使って登るという事である。滝の上からただロープが垂れているだけなので、まず古さんがロープをつかんで登っていった。一昨年の突破失敗箇所でロープがあっても苦労しているのが、下から見ていてよくわかる。ロープと背中と足の組み合わせで突破していった。

二人目以降は滝上で確保をしてもらいながら、ロープをハーネスに固定して登って行く。塩ちゃんと、「突破できなかった滝の右端が本当に突破不可能なのか、ロープに頼らず、できるだけ自力で登ってみよう!」と話し、まず塩ちゃんがロープをハーネスに固定して登っていった。やはり苦労している。苔の生えていない岩面がヌルヌルとしており、沢靴がツルツルと滑っているのが見える。どう考えても自力で登るのは難しいよなと思った瞬間、足が滑った。ロープでビレイされているので、危険ではなかったが、ロープ無しでの自力突破は不可能な箇所なのだと改めて再確認した次第である。

 

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最後に私の番である。やはり滑る。夏靴で氷の斜面を歩いているような感覚である。できるだけ、岩表面の凹凸のある部分を選びながら足を岩に乗せても滑りやすい。足だけでは自分を確保できないので、ザックを横の岩に押しつけ、足を突っ張り、顔面に強烈なシャワーを浴びながら、それでも、古さんと塩ちゃんに滝上から確保されていることで、安心感があり、何とか滝上までたどりつくことができた。

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「沢の経験も少しずつ積んできたし、一昨年突破できなかった大滝を突破してみよう!」という慢心が最初あった。この慢心が大きく膨らまないで良かったと思う。自分ができない事をしっかりと事前に察知する事が沢では非常に重要なのだ。

勉強になった、沢遡行でした。古さん、塩ちゃん、ありがとうございました。