2021-9-5 樺戸三角山(707.9m)-中小屋川遡行

【山名・コース】樺戸三角山(707.9m)-中小屋川遡行

【期間】 2021年9月5日 【天候】 晴

【形態】 A・ (C)・ P ・ 他

【性別】 男性 4名 女性 1名

【メンバー】 CL佐(智),SL二(輝),二(理),佐TK,西(会員外)

【山行形態】 (尾根)  縦走 (沢登り) 岩登り 登攀 山スキー 

【地点時間】〔記録者〕会員№364 佐(智)

8:35 C110m林道途中出発→8:35 C130m入渓→8:45 二股→10:47 F2→11:12 山頂→13:17

二股→14:52 C110m林道途中到着→16:57

【短信・感想】会員№364 佐(智)

 山に登り山頂から見えるあらたな山を見て「次はあの山に登ろう」、こうして登った山を積み重ねて来た。

去年、樺戸山から隈根尻山に向かう途中のコルから南西を望むと尖ったポコがあった。

下山後気になって地図で調べると三角山という山だった。当然登山道は無い。

ネットで検索すると少ないが登頂記録も出て来た。

縁あって、その登頂経験者の西さんと話す機会があり、樺戸の三角山に登ってみたい旨を話すと「行くならご一緒しますよ」と言って頂いた。

それならばと計画して今回の山行と相成った。

林道を車で入れる場所まで進め下車、計画では最終地点まで林道歩きの予定だった。

地図では林道は川の右岸に並行で進んでいるが、林道は廃道と化しておりイタドリの森になっていた。

林道歩きを諦め沢遡行に変更する。

中小屋川自体は傾斜も緩く歩きやすいのだが次から次へと砂防ダムが現れる為、これを巻いて交わさなければならない。

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最初は余裕もあり砂防ダムの数を数えていたが、この砂防ダム越えがボディーブローのように体力と時間を奪い10基を超えたあたりで数えるのをやめ、写真にだけ納めてやり過ごした。

下山後に写真から数を追うと砂防ダムは全部で19基あった。

二股まで約4kmの道のりを2時間かけて到着、一息休憩をして三角山に向かう左股に入る。

西さんが登った11年前と沢の様相は変わっており倒木で荒れた沢を遡行していく。

難所と踏んでいたF2の大滝に到着する。輝さんと佐TKさんが偵察で登る。

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途中までは何とか登れそうだが、その先が手がかりも足がかりも無い、岩盤も脆くちょっと進むだけでポロポロ砂礫が落ちてくる。

ロープを確保して引っ張り上げるにしても時間が掛かると判断して右から大巻することにする。

しかし、この大巻も大変で急勾配で取り付が草付きで手がかりが少ない中を尾根に向かって慎重に登る。

尾根に到達したのが12:00だった。滝を巻いて又沢に下りるか、このまま尾根伝いに山頂を目指すか選択を迫られる。

ここまでの沢の荒れ方をみるとこの先沢がどうなっているか分からないのと結局山頂手前は藪漕ぎになる。

尾根も藪が濃くて時間が掛かりそうだが、このまま尾根を進んだ方が無難と判断。

日没までの下山を考え14時までにピークを踏めなければ撤退とい前提で尾根伝に進むルートを選択する。

尾根に生えている植物はカヤの木とシャクナゲが多く、思っていたより藪漕ぎに苦戦はしなかったが一部山葡萄の蔓が這っている箇所があり足や体に蔓がからまり難儀した。

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12:40低木の藪を抜け山頂直下の草地に出た。ここからであれば1時間以内には確実に山頂を踏むことが出来ると確信するとメンバーの顔に安堵の表情が浮かんだ。

草地で歩きやすいと言えども勾配が急で、なかなか楽に登らせてくれない。振り返ると登ってきた尾根越に黄金色をした空知の田園風景が広がる。

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13:17山頂到着。山頂には久々の珍客を出迎えるように三角点がひっそりと建っていた。

思っていたより山頂からは眺望が効き、樺戸山に隈根尻は勿論のことピンネシリ山も良く見えた。

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昼食を兼ねて山頂で休憩を軽く取り下山に入る。当初計画では南尾根を下る予定だったが計画の時間より遅れていることもあり、上りと同じ南東尾根を下ることにする。

藪山のスペシャリスト西さんが先頭でリードしてくれる。下りやすい東側の尾根に引っ張られそうになるところを修正しながらのルートファインディングはさすがだ。

藪漕ぎも下りは早い、川のせせらぎが聞こえるあたりになると藪も薄くなり14:52二股に着いた。

ここからは来た道を戻るだけ「また砂防ダムを越えなければならないのか」とうんざりする気持ちを押し込めて黙々と下る。

車を停めた林道のスタート地点に着いたのが16:57、なんとか日没前の明るい時間に戻ってこれた。

快く同行して頂いた西さんと、こんな物好きな計画に賛同し参加頂いた頼もしい頼れる百松の先輩方には感謝しかない。

道なき道を行くということは、なかなか計画通りには行かない。計画と異なった場合にどう対処するかを考え行動することは難しい。それは高々700mしかない低山であってもだ。

今回は色々学ぶことも多かったが自分で計画し考える楽しさを知った山行であり、自分にとってとても印象深いものになった。

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[樺戸山と隈根尻山のコルから望む中央のトンガリが樺戸三角山]

 

ヒヤリハット

計画したルートを変更することになったり、計画の時間より遅れる形にはなったが、諸先輩方のアドバイスの元、的確な判断ができたのでヒヤリハットするような事は特になかった。