2022-3-22~30 日本百名山九州&屋久島宮之浦岳

【山名・コース】日本百名山九州&屋久宮之浦岳

【期間】 2022年3月22日~3月30日

【形態】 (A)・ C ・ P ・ 他

【性別】 男性 4名(内会員外3名) 女性 1名

【メンバー】 CL 納Y、SL 厚M、会員外3名

【山行形態】 (尾根) 縦走 沢登り 岩登り 登攀 山スキー 

【地点時間】〔記録者〕会員№317 納Y

 

移動概要

03/22 07:50 新千歳空港発→12:00熊本空港着→阿蘇山上駐車場→ペンション響 ⇔ 温泉

03/23 06:30 出発→牧ノ戸峠登山口→阿蘇くじゅう高原YH ⇔ 温泉

03/24 06:00 出発→祖母山神原登山口→五ノ瀬の里キャンプ場 ⇔ 温泉

03/25 07:00 出発→高千穂神社→天岩戸直売所→天岩戸神社・天広河原宮→高千穂神社霧島神宮前YH

03/26  10:00 出発→韓国岳登山口チェック→鹿児島空港屋久島空港→民宿たけんこ

03/27  08:00 出発→淀川登山口→宮之浦岳→新高塚小屋

03/28  06:20 出発→縄文杉→荒川登山口下山→民宿荷物引取→屋久島空港鹿児島空港霧島神宮前YH

03/29  04:00 出発→えびの高原駐車場→韓国岳→13:30開聞岳19:10→指宿いわさきホテル

03/30 09:30 出発→12:45鹿児島空港発→伊丹経由→17:00新千歳空港着→20:00帰宅

 

8泊9日 熊本空港到着から鹿児島空港出発

総移動距離 :1,196㎞(鹿児島⇔屋久島空路含む)

総移動時間 :27時間59分 

自宅出発~帰宅まで207時間の内、移動時間42時間

 

移動経路

3/22熊本空港~          3/26屋久島~              3/29韓国岳開聞岳

25霧島YH                 28鹿児島空港経由霧島YH   30鹿児島空港 →帰路

 

【短信・感想】会員№317 納Y

 

03/22 阿蘇五岳 杵島岳(きじまだけ)1321m 

15:06 登山口―15:50杵島岳山頂―16:37登山口

 

熊本空港より阿蘇山上登山口へ移動.

さあ、これから九州百名山だと気合を入れて準備をしていると警備員が声を掛けてきた。「これから登山ですか?阿蘇山は火山警戒レベル2となりましたが阿蘇山上登山口からの入山できません」との事。そばにあった登山口交番のおまわりさんも出てきて、仙酔峡登山口からの登山、または根子岳登山を進められたがこれも確信がない様子。こちらは札幌から熊本空港経由でレンタカーを飛ばしてやっと辿り着いたので、これから登山口を変えての山行となると下山は日没を過ぎる。

テンションは高いが移動の疲れもあり翌日からの行程も考慮し阿蘇五岳で目の前に登山口があり登りやすい杵島岳に登ることとした。

阿蘇山の大きな噴火口から上がる噴煙の勢い、噴火により損傷した施設を見て噴火による影響の大きさを実感した。また、隣接する烏帽子岳に連なる自然と噴火口の奥に続く阿蘇山系の雄大さに感動した。

出発前にもう少し噴火による影響度を調査してくれば良かったと反省しつつも阿蘇五岳の一つ杵島岳に足跡を残せたことに満足し宿舎に向かった。

 

註:阿蘇登山は噴火により規制されており登れるのは我々が登った杵島岳烏帽子岳根子岳東峰へのルートのみ

 

03/23 くじゅう連山主峰 久住山(1786.50m)

08:47 牧ノ戸峠登山口→11:39避難小屋→12:23久住山→12:51避難小屋14:00→15:36登山口

 

宿舎を出て牧ノ戸登山口へ向かう道すがらに阿蘇山系が一望できる景色に見惚れて運転が進まない。ため息をついては車を止め写真を撮る。そこには「神がさずけた熊本一の景勝地」と看板がありその看板に偽りはなかった。久住山登山口への目標時間がどんどん遅れるがこの絶景を見過ごすわけには行かなかった。前日阿蘇山主峰に登れなかった残念さもありバチバチと写真を撮影し移動を開始する。

牧ノ戸峠登山口へ高度を上げていくと徐々に道路脇に雪が増えてくる。登山口は20cm程度の積雪がある。店舗の入り口には“アイゼンのままでお入りください”の看板。

下山してくる人にアイゼンが必要かを聞いて見ると「「アイゼンがないので降りてきた」との事。我々も不安になるがアイゼンは装備していない。どうしようか躊躇するも北海道から来た精鋭、九州の腐った雪に負ける訳には行かないと強気ではあるが不安もよぎる。

高度を上げれば雪は30㎝程となった。しかし、雪国生まれの我々にとって歩くには問題はないレベル。逆に土の上を12月から歩いていないので膝への影響が少なく歩きやすい。視界がない中、久住山山頂へ到着。降雪の中の記念撮影をして下山。昼食は避難小屋で摂ったが中にいた福岡から来たという若いカップルが4月に札幌に行く予定で行程検討中との事。ジンギスカンはどこで食べたらいい?移動はレンタカーか?など質問攻め。結局、1時間半ほど彼女たちと歓談。あまりの熱心さにこちらも本気で答えたがどうやら九州の人たちは北海道大好きの人が多いようだ。

冬タイヤがいらないのか心配しながら真っ白になった駐車場へ下山したがYHまで15分程度。若干心配したがさすが九州は地温が高いので運転には支障はなかった。

九州人はここでも雪と戯れていた。

晴れていれば見られたはずのくじゅう連山の絶景は改めて見に来よう。

 

03/24  祖母山(1,756m)神武天皇の祖母(豊玉姫)を祀る山

08:51 祖母山神原登山口→09:25御社の滝→09:41五合目小屋→12:08国観峠→13:15祖母山14:06→16:06五合目小屋→16:37登山口

 

北海道の道路は広く比較的まっすぐ、それに比べ九州の道路には驚いた。

ナビに案内された道なのだが祖母山登山口への県道は道幅3~4m程度でヘヤピンカーブの連続で対向車が来ると交差できない。何らかの地元のルールがあるのかみんな除けてくれるのだが狭い峠道を運転する側は必死の操作を繰り返しやっと神原登山口に着いた。

幸いにして登山道に雪はない。整備された沢沿いの登山道を進む。昔から修験者の修行の場との事で山深い苔蒸す神秘的な登山道が印象的だ。ところどころに看板があり地質、森の成り立ちなどの解説がなされている。今回の九州山行では標準タイムが一番長い山行となる。後ろから“君が代”を唄いながら登ってきた若者たちが我々を抜いて行った。

足元を見ると一人はズックのスニーカーだった。山頂部は昨日同様の雪模様を予想していた我々にっとっては信じられない光景だった。案の定、国観峠では完全な雪道となった。

凍傷は大丈夫だろうか?山頂で動けなくなっていたら“救助ヘリ”の要請が必要かも…。など心配しながら山頂へ着いた。山頂は360度大パノラマだった。その中に彼らも居た。

足の具合を聞いて見たが心配は無さそうだ。そんなお節介のやり取りですっかり仲良くなった。下山は彼らが若干早くスタートしたが雪道はさすが北海道チームが早い。歩き方をコーチしながら彼らと一緒に下山した。北海道支店のある企業に就活中との事。縁があったら百松山岳会のHPで連絡をくれるよう話して彼らは福岡へ、我々は今晩の宿、高千穂へ向かう。

 

03/25 神話に触れる日 

08:00 出発→高千穂神社参拝・散策→天岩戸直売所→天岩戸神社・天広河原宮→

高千穂神社病気平癒のお守りを求めるため再参拝→高千穂峰に向かうもナビの誘導に戸惑い時間をロスし韓国岳を断念した。16:00霧島神宮参拝→17:30霧島神宮前YH

 

03/26  朝から大雨に見舞われた。本日渡ろうと考えている屋久島は早朝より120㎜/hの大雨で島内には避難警報が発出されているとテロップが流れる。

この日は九州地方も大雨予報で霧島神宮前YH周辺も大粒の雨が絶え間なく降り続く。

昨日はナビの誘導に戸惑い断念した韓国岳の登山口だけは確認したく思い現地に向かった。雨の状況が変わればあわよくばと考えてもみたが登れる状況にはなく断念。この時点で昨日に続き韓国岳には縁がないなぁと思いつつ九州百名山全山踏破に赤信号が灯った。

止む無く鹿児島神宮を参拝して屋久島への移動を検討するが空路の運行状況が気になり鹿児島空港へ向かう。高速船、空路共、15時頃までは運航停止であったが幸いに予約した16:50発は通常運行との事で安堵。鹿児島空港で3時間ほど空いた時間を利用し高速船を予定していた帰路を空路に変更した。この際、津川さんから頂いた航空券購入のヒントが役に立ち“さくらネット”を利用し株主優待で10,300円で予約出来た。

また、当初この日より杉本さんが参加予定であったがキャンセルになり現地に着いてから決めようと考えていた宿舎もネットで検索し“民宿たけんこ3,800円(素泊まり)”とした。

翌日の淀川登山口までのタクシーは朝一番の予約は出来なかったが7時出発として安房タクシーに予約が出来た。

結局、この日は大雨となり山に登れなかったが余った時間を鹿児島空港で有効に使い屋久島での予定をすべて確定した。これにより天気次第だが下山後屋久島から鹿児島へ空路で移動し霧島YHに宿を取り、翌日は超ハードとなるが韓国岳を登って3時間を掛けて指宿に移動し開聞岳に登る計画が出来た。

屋久島空港到着後は空港からタクシーでAコープで食料を買い込み19:30民宿たけんこ到着した。

 

03/27  宮之浦岳(1,936 m)

05:00より出発準備をし昨日の大雨で通行止めとなっている県道の通行止め解除の島内放送を待った。07:20県道通行止め解除、改めて安房タクシーに連絡。07:40出発→08:48淀川登山口→09:55淀川小屋→11:56花之江河→14:56くりお岳→15:20宮之浦岳15:57→16:47平石岩屋→18:00新高塚小屋到着

この日は好天無風の中山行が出来た。北海道では会うことのできない大きな杉に畏敬の念を持って深い森を歩いた。ところどころに奇岩が点在する。これも初めての景観だった。

何と云っても山頂では青い空、青い海の中に鉄砲伝来の種子島が直下に浮かんでおり、口永良部島、噴煙を放つ硫黄島が見える。

そして九州方向の雲海の上にポッカリと開聞岳が確認できた。当社九州支店の3人は過去3回山頂を踏んでいるとの事だがこの好天、絶景は初めてとの事で感動しきりだった。当会に入会し初めてのバス山行で雲一つない大雪縦走の時、大KBさんが九州弁で云ってくれた“納谷さんは運がいいばい”を思い出し懐かしく大KBさんの笑顔を思い出した。

新高塚小屋には日没後の到着となった。21:00就寝

03/28 06:20出発するも昨日来た道を逆進したことに気づき新高塚小屋に戻る(40分のロス)→07:00新高塚小屋再スタート→08:12高塚小屋→大きな杉群が現れる→09:07縄文杉09:25→09:57夫婦杉→10:15ウィルソン杉11:05→11:25翁杉→11:55トロッコ道→13:00三代杉→14:39荒川登山口下山→14:50安房タクシー→たけんこに寄り荷物引取→16:00屋久島空港19:00→19:35鹿児島空港→20:00トヨタレンタカー→21:00霧島神宮前YH

縄文杉、翁杉、夫婦杉、ウィルソン杉…、樹齢1000年を超えるという世界自然遺産に触れ自然の偉大さに感動した山行だった。ありがとう屋久島‼

下山後も忙しい。屋久島航空から鹿児島空港へ飛び、レンタカーを手配し、霧島神宮前YHに向かった。

 

03/29  韓国岳(1,700.3m)、開聞岳(924m)最後の二座

03:15起床→04:00出発→04:56えびの高原駐車場→07:21韓国岳07:24(山頂を踏んで安心したのか間違って大浪池方向へ降りる途中、厚Mさんに指摘され戻るが30分ロス)→09:25韓国岳登山口→東九州自動車道にて移動、昼食は車中→12:48開聞岳駐車場13:25→15:25 7.1合目展望台→16:33開聞岳16:37→19:10登山口→19:40指宿いわさきH→20:15打上げ韓国岳ではヘッテンを点けて登山開始、濃霧で韓国岳開聞岳共に視界には恵まれなかったが時折見せてくれる墨絵のような展望は自分の中では大展望のように感じられた。

開聞岳山頂では思わず“やったぞ~”と雄たけび、雨が目に入ったのか胸に熱いものが去来した。五合目からはヘッテンを点けての下山となったが無事下山。

大雨と慣れないナビで時間をロスし、韓国岳では間違えて降りなくてもよい登山道を降り、宮之浦岳では登山道を間違えて逆進、紆余曲折はあったものの厚Mさんにサポートして頂き、九州支店のメンバーの参加もあって九州初挑戦で全行程を踏破出来た。

同行してくれたメンバーと天に深く深く感謝の山行だった。

日本百名山の北海道と九州は終えたが挑戦の道は始まったばかりだが期待は膨らむ。

ヒヤリハット】特になし