【山名・コース】夕張中岳[1493m峰] (1493m)
【期間】 2022年4月24日 【天候】晴天
【形態】 A・ (C) ・ P ・ 他
【性別】 男性 2名 女性 1名
【メンバー】 CL二H(理), SL二H(輝),佐T(智)
【山行形態】 (尾根) 縦走 沢登り 岩登り 登攀 山スキー
【地点時間】〔記録者〕会員№364 佐T(智)
5:00 林道ゲート→8:55 1196mコル→11:40山頂→14:15 1196mコル→16:30 林道ゲート
【短信・感想】会員№364 佐T(智)
早朝出発の為、太陽の里に車中泊。ヘッデンをつけて身支度をして登山口に移動、予定から30分遅れの5:00に林道ゲートを出発。
5:46 渡渉地点に到着、雪解けで水嵩が増えており飛び石での渡渉だと靴を濡らすこと必至。
ちょうどよく丸太が渡っているのを見つけ丸太を跨ぎ尻をズリズリ擦りながら渡り切る。
渡渉後、沢形から取り付き登り始めて直ぐにアイゼンを付ける。
しばらく沢形を進むとスキーのトレースを見つける。
斜面はそこそこの斜度で我慢の登りが続く。
沢形を忠実に辿り高度を上げて行くと前方に槙柏山が姿を現す。
振り返ると十勝岳連峰の山並が空に浮かんだように連なっている。
槙柏山の基部をかすめるように登り御茶々岳へと続く尾根に向かう。
尾根の手前のコルに来ると間近に夫婦岩が現れる。立派な佇まいに暫し足を止めて眺める。
尾根筋は雪が解け這松が顔を出しているので尾根の少し下をトラバースする。
鏡餅にちょんまげを載せたような御茶々岳の山頂部を眺めながら1196mのコルに向かってトラーバスしながら進む。
1196mコルに着き小休止を取る。これからの工程の為少しでも身を軽くするためワカンを這松の根元にデポする。
芦別岳に向かう主稜線から夕張中岳方向に派生している尾根のC1210~1220m間の標高をキープしながらトラバースで1298mポコを目指して進む。
傾斜の急なトラバースが続き前回の山行で痛めた左膝が痛み出す。
1298mポコを北側から巻いてから尾根筋に上がる。
尾根に上がると夕張中岳の山容がズドーンと眼前に飛び込んでくる。
いよいよピークハントへの最終段階を迎えてテンションが上がる。
膝の痛みを忘れて引き寄せられるように本峰に向かって進んで行く。
本峰の基部に着き一息入れる。ハーネスを装着しポールをデポして最後の急斜面に取り付く。
二H(輝)さんが先頭でジグを切りながら慎重に登っていく。
クラストしていたら難儀しただろうが幸い雪質がザクザクの粗目でステップが切りやすいので順調に標高を上げて行く。
あと少しで山頂部というところで雪は消え、露呈した岩塔を右から巻くように這い上がる。
山頂部に上がると風が強く吹いておりピークはナイフリッジのさらに向こう側。
へっぴり腰で慎重に渡ると夕張山地を見渡せる365°の大パノラマと急斜面を登り切った達成感で思わず顔がほころぶ。
シューパロ岳への連なりが特徴的で遠望にちょこんと夕張マッターホルン、その奥に負けないぐらいに尖った形の夕張岳の山容が見えるのが珍しくて面白い。
風が強くなってきた。眺望と記念写真をサッとカメラに収めて名残惜しいが山頂を後にする。
下山はバックステップで真っすぐ下る。
無事本峰基部まで下ってから斜面に残してきたトレースを改めて眺め「良く登って来たな」と顔がニヤつく。
下山の長いトラバースを下り始めると興奮して忘れていたが膝がまた痛み出す。
急登で時間が掛かった槙柏山までの沢形も下りはザックザックと高速で下る。
渡渉地点に着くと水嵩が増えており往路で利用した丸太だと濡れてしまいそうな勢いで流れている。
アイゼンを外し安全に渡れそうな倒木を探して往路と同じ要領で尻ズリしながら濡れることなく無事渡渉する。
膝に不安を抱えていたがここまで来れば一安心、あとは惰性で長い林道を下る。
16:30 無事ゲートに到着、膝も何とか持ち堪え迷惑を掛けることなく明るいうちに戻れてホッとする。
今回の山行では夕張山地の雄大さと奥深さを改めて実感できた素晴らしい山旅になった。
個人的には急斜面のルート取りや判断の仕方など大変勉強になり自分としてはひとまわりスキルアップできた気がする。
いつもながらCL、SLには大変感謝している。
この学びを生かして、今度は自分が計画して山行を組めるよう努力したい。
【ヒヤリハット】
特になし。