2019-03-10貫気別山(1317.9m)

【山名・コース】貫気別山 1317.9m
【 期  間 】 2019年03月10日
【 形  態 】 C:サークル山行
【 天  候 】 快晴・無風
【 性  別 】 男性3名 女性1名
【 メンバー 】 CL赤、SL二、西(会員外)、平
【 山行形態 】 スノーシュー
登り6時間25分 下り4時間05分

【短信・感想】                   会員    平 
  貫気別山の山行は、2月に胆振中東部でマグニチュード5.8の地震が発生したことから延期されていたものです。今年は例年になく雪解けが早く気温の高い日が続いています。当日も快晴・無風、絶好の山行日和の中、雪があるかどうかの心配しながら現地に向かいました。今回参加していただいた会員外の西さんは、ストイックに日ごろから体を鍛えており、仲間内では鉄人西(あるいは快速西)と言われザックの重さを厭わない実に頼りになる人物です。
  西車で二さん宅を出発したのが4時55分、現地到着は6時50分でした。現地も快晴・無風状態です。早速登山の準備をして山行を開始したのが7時10分。スノーシューの踏み跡が沢山ある林道を張り切って進んで行きました。その直後赤CLから“ちょっと待て”とストップがかかりました。位置確認をしたところ我々が進んでいたのはリビラ山に通じる隣の林道でした。赤CLの動物的感覚には日ごろから感心していますが、この日もズバリ当たりました。
そこで方向転換を図るため貫気別川を渡って上貫気別林道に入りいよいよ登山開始です。貫気別川は暴れ川と言うだけあって川の左岸に続く林道はかなり荒れており鹿の足跡があってもスノーシューの踏み跡は全くありません。そんな林道と貫気別川左岸を行ったり来たりしながら稜線の取付きに向けて進んで行きます。
  8時30分二つ目の砂防ダムに到達。眼前には大ガンケが立ちはだかっており、我々が目指す貫気別山は全く見えません。空を見上げると雲が結構な速さで移動しており、稜線付近は風が強いだろうなと思われました。   
稜線の取付きに到達するまで渡渉が10回ぐらいありました。まだ水量が少なく特に危険なことはありませんでしたが、バランスを崩して手袋を濡らしてしまったとかの小さな被害はありました。
  稜線の取付きに到着したが9時35分。ここからは急登になります。そこから我々を悩ませたのは雪の状態です。いわば、薄い最中の皮の下にグラニュー糖が沢山詰まった状態でなかなか前に進むことができません。特に、とど松林の中は最中状態が続いており、体が空回りして気持ちが折れそうになりました。また所どころに落とし穴が待っており先頭を行く赤CLはそのリスクを一身に背負い、唯一人被害を蒙っていました。
滝が凍って氷柱状態になった所も見える左側の大ガンケを臨みながら一生懸命に歩を進めます。1063m付近に到達したのは予定よりかなり遅い12時05分。稜線に出るまであと200mの高度を稼がねばなりません。それでも、この後は日当たりの良いところを登るので、それなりに高度を稼いで進むことができそうです。
  1250mの稜線に出たのは13時00分。快晴で風は全くありません。稜線では日高山脈の展望が開けており、綺麗な山並み(ピパイロ岳~戸蔦別岳~幌尻岳~イドンナップ岳等々)を見てみんな大感激。大変な苦労の後に大きなご褒美を貰うことができました。
そして、頂上に向かってさらに歩を進めます。雪庇の中に響く気味の悪い音を聞くこと数回、慎重に歩を進めて頂上に到着したのが13時35分でした。
片道11.8km、6時間25分の行程でした。
下山を開始したのは13時50分。途中1250m付近の稜線では安全を期してアイゼンに履き替えての下山となりました。足がズボズボ嵌まり最初のうちは難儀しましたが、それもだんだんと慣れるものだなと自分ながら感心しました。天気が良く気温もかなり上がっていることから、所どころ登ってきた踏み跡が消えていました。
赤CLは落とし穴で足を痛めたせいかスピードが上がりません。それに引き換え二さんの軽やかなこと、そしてそのスピードにはいつものことながらビックリです。これには、会員外の鉄人西さんも感心しきりでした。私はと言うと、先を行く二さんに大声で“休ませてください”とお願いをする始末です。
稜線の取付きに到達したのは16時05分。ここでアイゼンをスノーシューに履き替えて貫気別川左岸と林道を進みます。渡渉を繰り返しますが、登るときと比較して水量が多くなっており川幅も広がっているように思いました。赤CLからクマが出没する時期になっているので注意して進むように指示があり、そんな時期なんだと再認識させられた次第です。
  下山を終了したのが17時55分。ヘッドランプの世話になることもなく無事に帰還することができました。が、帰路の途中林道が凍り付いて轍が左側に傾いていることから車がスリップし立往生してしまいました。3人で車を押して何とか脱出に成功し、その後は西さんの慎重な運転で無事に舗装路に辿り着くことができました。最後まで苦労を強いられた今回の山行は、実働時間10時間半+α、距離にして20kmオーバーの修行でした。
  二さん宅には20時過ぎに無事到着し、それぞれ帰路につきました。今回も皆さんご苦労様でした。そして、ありがとうございました。