2024-4-12_13 奥徳富岳(尾白利加岳) 1,346m

【山名・コース】奥徳富岳(尾白利加岳) 1,346m
【期間】 2024 年4月12~13日 【天候】 12日:曇り後晴れ,13日:晴れ一時曇り
【形態】 A・ (C)・ P ・ 他
【性別】 男性 2 名 ,女性 0名
【メンバー】 CL佐T(智), SL 佐TK 
【山行形態】 (尾根)  縦走 沢登り 岩登り 登攀 山スキー 
【地点時間】〔記録者〕会員№364 佐T(智)
1日目 9:30登山口→ 14:40幕営
2日目 5:05幕営地→ 山頂 8:10-8:40 → 幕営地 10:45-12:10 → 登山口 15:55

【短信・感想】会員№364 佐T(智)
1日目:
朝から終始曇り空、久々の重いザックで歩みが遅い。
林道終点手前にオレンジのテント2張、男性一人が立っていた。
話すとスキーで戻ってくる2名を待っているとのこと、テントを通り越してしばらく進んだところでスキーで降りてくる男女のペアとすれ違う。
心配していた渡渉場のスノーブリッジは渡れる状態で安心した。
当初標高点666mと609mの窪地を幕営地に予定していたが、風の通り道になりそうということで佐TKさんと相談して609m周辺の群別岳が望める場所に陣取る。
行程の9割が林道歩きだったにもかかわらず久々の歩荷で疲れた。
雪を溶かし水を確保、テントに入り安着祝いで一杯やる。
湯を沸かし各々用意したスープなどで夕食を取った後、20:00早々に就寝。

2日目:
3時起床、佐TKさんのエアマットに穴が空いているようで「ペチャンコで寒くて寝むれなかった」とボヤいている。
前回の群別岳の山中泊で、自分も寒くて寝むれなく辛かった反省を生かしてザックは重くなるが寒さ対策をバッチリしてきたのでぐっすり寝むれた。
アタック用にザックの中身を整理する。今日は最初からワカンを履いて5:00幕営地を出発。
渡渉後直ぐに1069mピークの西尾根に取り付く計画だったが、759mポコとの間の沢地形を進んだ方が楽じゃないかとの佐TKさんの考えに賛同しルート変更する。
このルート選択は正解で、思っていたより楽に尾根に合流した。
ザックの重さは軽くなったが足が重く調子が上がらない。
少し進んでは汗を拭き小休止して息を整え又進むを繰り返しながら標高を上げて行く。
スカイラインにガスが掛かり雲行が怪しくなる、あともう少しで1069mピークというあたりで霧雨に包まれる。
佐TKさんから「雨になったら帰るぞ」と言われる。
ずぶ濡れになれば低体温になる可能性も出てくる、あと1時間程度で山頂だというのに、ここで撤退かと思うと心が折れそうになる。
佐TKさんと相談して、もう少し登ってから判断することにする。
徐々に霧雨は落ち着いきた。稜線に上がったが雨は止んでもガスは濃い。
視界10mの中を慎重にルーファイしながら進む、ガスの中を歩くのは方向感覚が無くなり酔ったような感覚がして気持ちの良い感じはしない。

時々、ガスの切れ間から群別が顔を出している。
奥徳富のピークに近づくに連れ空が明るくなり出すと「いいぞいいぞ」と二人の顔も明るくなる。
1214mピークの手前まで来るとガスは抜け幌天狗から群別への稜線を望むことが出来るようになる。

奥徳富岳の山頂に着いた時は、ほぼガスは抜けて増毛を一望できる展望台となっていた。
印象的だったのは、雲に浮かぶように聳える暑寒別岳で、目に入る山並みの中でもひと際神々しく見えた。

群別岳と幌天狗との稜線は、残念ながら黄砂で汚れていたが、それを割り引いても眺めるに値する景色で、雲海で埋め尽くされた南側の景色も壮観だった。

景色を堪能しながら軽く行動食を取り下山する。
上り返しがほぼ無いというのもあるが下山はガスも無く景色を眺めながらの稜線歩きは楽しい。
ガスが消えた1214mピークからの下りは、こんなに広い尾根だったのかと驚くぐらいの雪原だった。

すっかり天候は回復し春陽の候となり、前日作った水を飲み干してしまう。
下山は尾根を忠実に下る。気温が上がり雪が腐ってワカンにまとわりつき歩きづらい。

それでも下山は早く、幕営地に着いたのが10:45で上り3時間かかったが、下りは2時間で戻ってきた。
計画より早く戻れたが、飲み水作りやテント撤収などで意外と時間がとられ、1日目より荷物が減っているはずなのに逆に嵩増しした感じで荷物が上手くザックに収まらずパッキングに苦労して結局計画より20分遅れで幕営地を出発する。
渡渉場まではサクサク下ったが林道に出てからスピードがガクッと落ちる。
ザックの重さ、暑さ、疲労の三重苦に耐えながら林道を歩く。
崖斜面に近い林道では、昨日は無かったデブリが広範囲に広がっていて驚いた。

佐TKさんが「なんか違うとこ歩いてないか」というのでGPSを確認すると山側の林道に入っていた。
下ばかり見て歩いていた所為か分岐に気付かずに山側の林道を進んでいた。
このような道間違いなどの佐TKさんの気付きの早さには感服する。
さてどうやって戻るかを話し合いながら小休止しているとスノーシューを履いた集団のパーティーがこちらに向かってきた。
話すと幌天狗から群別岳と奥徳富岳を周回してきた日帰りの健脚ハイカー集団だった。
彼らも間違って山側の林道に入ってきてしまったらしい。
道間違いしている事を伝えるとスマホを見ながら現在地を確認し林道を離脱して橋に向かう方向に舵を切って歩いて行った。
我々は重い荷物も背負っている事もあり、急がば回れで来た林道を引き返すことにする。
橋に着くと健脚ハイカーのトレースがあり、無事に林道に合流して行ったようだ。
川は昨日より水嵩が増しているようで轟々と勢いよく流れている。
麓に近づくに連れ昨日はあった林道の雪も解けて雪を繋げて歩けなくなる。
ワカンを脱ぎ小川のように流れる林道をヘロヘロになりながら進む。
15:50登山口の斎場に到着、苦しくも楽しかった山旅の健闘を称えて佐TKさんと握手する。
重いザックからの解放感と念願だった山に登れた達成感に浸りながら帰宅の途に着いた。

ヒヤリハット
特になし。