たいすけの山よもやま話

「登山道の標識がローマ字から英語に変わる」

登山道の標識がローマ字から英語に変わる 辻井泰輔 ◆写真の説明 道路標識は近年、日本語の読み方をローマ字表記にするのではなく、英語にする動きが進んでいる。看板にある「tozando」から英語の「Trailhead(道の起点/登山口)」に変更された。(下)「船津…

「山の神とオコゼ(虎魚)」

たいすけのよもやま話 山の神とオコゼ(虎魚) 辻井泰輔 若し我々の仲間のパーテイが山で重大な事故を起こしたとする。普段は神仏を信じていなくても気づかないうちに困った時の神頼みで仲間の無事を神に祈る。だが祈る前に仲間の生死は確定している。だとす…

「鉱山植物は礼文島に多く、富士山に乏しいのは何故?」

高山植物は礼文島に多く、富士山に乏しいのは何故? 辻井泰輔 謹賀新年。皆さまには輝かしい新年を迎えられたことと思う。昨年も年頭に「今年の計画」を立てたが何故かしら思い出せない。一年過ぎてようやく『節酒』宇治さんfだけを思い出している。昨年は…

「冬山で注意すべき要点はここ」

たいすけのよもやま話 冬山で注意すべき要点はここ。 辻井泰輔 冬山でもっとも恐ろしいのは雪崩である。斜面を速い速度で下り貴方を流してしまう。流れたデブリはいったん止まると固く締まり、埋められた貴方はまず抜け出すことはできない。雪崩に会わないよ…

山の「○合目」はどうやって決める?

山の「〇合目」はどうやって決める? 辻井泰輔 登山道ではよく「〇合目」という表示がみられる。麓から順に「一合目」「二合目」・・・・と数字が増え増えていって十合目が頂上になる。 この「〇合目」という表示は登山道の距離か高さを10分の1刻みにして…

「知床硫黄山1562mの昔話」

知床硫黄山 1,562m の昔話 辻井泰輔 □知床硫黄山は羅臼町と斜里町にまたがる活火山である。一等三角点に指定されているが何故かしら山頂部は斜里町に属している。現地では硫黄山(イワウヌプリ)と呼ばれているが、近隣の弟子屈町にも硫黄山(アトサヌプリ)…

「大雪山にあるアイヌ語が付いた山々」

大雪山にあるアイヌ語が付いた山々 辻井泰輔 □ 前書き アイヌ語の山名ピリカヌプリ、ウペペサンケ等などなんと美しい響きの言葉だろうか。これらの美しい名の山を登るときなんとなく心が躍る。山名を知ることは日本語、アイヌ語に限らずそこにあった歴史、文…

「大雪山にある市町村名の付いた山々」

「大雪山にある市町村名の付いた山々」 辻井泰輔 □上川岳 表大雪 標高 1,884m 旭岳から黒岳まで数多くの山々が連なる中、北東部に少し離れて静かに座っている山。大 正 10 年に愛別村から分村する際、石狩川の上流であることから上川 と名付けられた。この土…

大雪山にある色が付いた山々(1)

大雪山にある色が付いた山々 (1) 泰輔 □黒岳; 標高1984m 表大雪 お鉢平の東方に位置し、小泉岳の植物学者・小泉秀雄の書いた記録に「山頂付近は鋭くとがり、黒色をしている・・・・」という意味の記述がある。そこから黒岳と呼ばれるようになった。夏には高…

《たいすけ》の「山よもやま話」(2019年12月号会報掲載)

山と岳の違い つじい泰輔 山名の最後に付く「山」を表す接尾語は羊蹄山をはじめとして「山」が一般的だ。しかし、岳をはじめ峰、森そして丸などが付く山名がある。どこが違うのか、それは自然発生的なもののようだれたらえ。漢字では山の上に丘と書いて「岳…

《たいすけ》の「山よもやま話」(2019-11号会報掲載)

薩摩(さつまの)守(かみ)忠度(ただのり) 辻井泰輔 平家の武将・薩摩守忠度(ただのり)は平清盛の末弟で、文武に秀でていて将に平家の「一門の花」であった。世間一般に忠度を「ただ乗り」にもじって乗り物に無賃で乗ること。またその人を言う。転じて登山用…

《たいすけ》の「山よもやま話」 聞きなし「テッペンカケタカナ」(2019年10月号会報掲載)

《たいすけ》の山よもやま話 今さら聞けないザックの手入れの仕方 (2019年9月号会報掲載)

足の仕組みと動きを知ろう(1)

足の仕組みと動きを知ろう(1) 岳 遊 子◆足の仕組み 日本人は古来より鼻緒にあるわらじや草履、下駄などの履物を履き、鼻緒をつかむように足指を使うことで足裏の筋肉が付き「足底アーチ」を形成していた。我われは歩行時、体重の1.5倍もの衝撃を地面から受…

《たいすけ》の山よもやま話 ”私のガイドライン”

私のガイドライン 岳 遊 子 ◆前書き:山は言葉だけでなく本当に魅力的なところだが、その魅力的な顔が時として恐ろしい形態に変わってしまうのが山の性格であり、まさに自然そのものである。即ち自然はネイチャーとワイルドの両方を持っている。魅力的であっ…

《たいすけ》の山よもやま話 羊蹄山が二つあるってほんとう?

羊蹄山が二つあるってホント? 岳 遊 子 謹賀新年。皆さまには輝かしい新年を迎えられたことと思う。ご承知のように富士山は優美な風貌で日本の象徴として広く知られているが、北海道の羊蹄山(1,898m)も富士山に劣らぬ華麗な姿をしており、この山を…

《たいすけ》の山よもやま話 ビバークってどうやってするの?

ビバークってどうやってするの 岳 遊 子 □ビバークとは、登山やキャンプなどで、緊急時に野営することを指す用語で、不時泊とも言う。理由は何であれ予定通り行動できず思いがけない場所で一夜を明かす羽目になったことを「フォースト・ビバーク(forced biv…

《たいすけ》の山よもやま話 事前に避けよう山のアクシデント

楽しく快適に歩く山登りのコツ。事前に避けよう山のアクシデント(1) 岳 遊 子 表題について(公)日本ガイド協会の研修を受けた。内容は周知している個所がほとんどだが、基本的な事項が多いので、下記の3項目について紹介します。 ① 疲労を最小限に抑え…

《たいすけ》の山よもやま話 山の法律相談4 免責の有効性

山の法律相談(4) 免責の有効性 岳 遊 子 □ 設問:責任を免れるための同意書に効力はあるか。 山岳会は山行中、メンバーがアクシデントを起こさないように細心の注意を払っているが、万一に備えて「事故によって損害を受けた場合でも山の会に対して損害賠…

《たいすけ》の山よもやま話 山の法律相談3 善意の行動

山の法律相談(3) 善意の行動 岳 遊 子 □設問: 他の登山者に誤った情報を教えてしまったら: 山行中に出会った登山者がどの方向へ下山するか悩んでいたので、親切心から以前に歩いたことがある登山道を教えた。後日、最新情報を調べたところ、今ではその…

《たいすけ》の山よもやま話  「パーテイ登山で考えることいろいろ」

パーテイ登山で考えることいろいろ 岳 遊 子 □パーテイ登山とは⇒複数の登山者が協力しながら一緒に登山することを言う。即ちリーダ、サブリーダーがいて、メンバーの協力において登山を楽しみ無事に下山る。メンバーが何かの都合でパーテイから離れて行動し…