2023-9-22~24ペテガリ岳(1736.2m)

【山名・コース】ペテガリ岳(1736.2m)

【期間】 2023年9月22日(金)~24(日)

【形態】 【A】・C・ P ・ 他

【性別】 男性 2名 女性 1名 

【メンバー】 CL二H(輝) SL納Y 金K

【山行形態】(尾根) 縦走 (沢登り) 岩登り 登攀 山スキー 

【山行時間】

9/22(金)ペテガリ岳登山口10:06-10:20林道終点10:21-11:52ベッピリガイ乗越12:00-12:46ベッピリガイ沢川渡渉点13:31-14:34ぺデガリ橋14:36-14:51ペテカリ山荘泊

9/23(土)ペテカリ山荘03:50-06:201050m06:21-07:54129307:55-09:34130109:35

-09:47C沢コル09:53-11:50ペテガリ岳12:20-13:52C沢コル09:53-14:03-14:18「1301m」14:24-15:46「1293m」15:46-17:00「1050m」17:00-18:29ペテカリ山荘18:30

9/24(日)ペテカリ山荘07:00-08:07ベッピリガイ沢川渡渉点08:32-09:31ベッピリガイ乗越09:41-11:05林道終点11:05-11:15ニシュオマナイ川渡渉点(ペテガリ岳登山道)11:15-11:21ペテガリ岳登山口G

国土地理院裏銀座地形図:https://www.yamareco.com/modules/yamareco/showmap.php?did=5972551&mode=cyberjapan

230922~24ペテガリ山行共有アルバム:https://photos.app.goo.gl/sDQPG6aMtnPtBbSVA

ヤマレコ山行記録: https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5972551.html

ペテガリ岳山行がやっと実現した。

2021年7月にカムイエクウチカウシ山、9月に1839峰に登った。昨年は8月に幌尻岳を計画したが台風で道路が寸断され日高に縁は無かったが今年は9月2日~4日に好天に恵まれた幌尻岳に登り、ペテガリ山行の翌週は北日高岳と9月は日高シリーズとなった。ペテガリは数年前からパートナーを探しており二Hさんにも打診したが、その時は「今年は1839峰を考えているので一年に二つは無理だ」との事でその年はペテガリを措いて1839峰に同行させていただいた。ペテガリは日高の名だたる山の一つで幌尻岳は日高の盟主と称されるがペテガリは日高の女王と称される名峰だ。

今年の夏山計画に9月ペテガリとあったので、その時点で参加表明していた。8月末、R千子さんから会山行での募集がなされ、二年前のオファーを覚えていてくれたのか有り難く早速応募した。この山行には沢山のメンバーが参加するのではないかと思っていたが計画書を見ると二H夫妻と金Kさん、納Yの4名だった。金Kさんは意外だったが、今年7月末からのスイスオートルートでフィジカルが鍛えられ、8月にご一緒した北アルプス裏銀座では西鎌尾根のきつい登りでも体力的余裕を感じていたが大きな山が続き、自信が着いたのだろうと拝察した。当初の9/16~18が雨で順延となり改めて計画された日程は金Kさんの75才最終日にペテガリアタックし、翌日がお誕生日。頑張らなくっちゃ~。

9/22(金)自宅を05時出発、高速を日高厚賀で降り、崖沿いの脆弱な林道を慎重に走り09:30登山口駐車場に到着。沢靴を履き登山靴を背負って09:55出発。

工事用に架かっていたと云う仮橋は既に撤去されており早速渡渉。その後林道終点まで20分ほど整備された工事用道路を歩き渡渉地点へ。水量はそこそこだったが沢靴でジャブジャブと歩き、難所の乗越しはヌルヌルの急登だが両サイドの笹を掴みながら登る。

北アルプスの三大急登、西鎌尾根の登りどころではない日高の急登を楽しみつつも、核心部の登り降りは残置ロープを駆使し無事クリアーした。ベッピリナイ沢川渡渉地点で沢装備をロープ張って日干ししデポ。登山靴に履き替え単調な林道を歩きペテガリ小屋を目指す。1時間ほどで“ぺてがり橋”と書かれた立派な橋。その橋の上には大きな熊の糞が数個、この辺りに羆が居るのは当然だが羆の糞が歓迎のしるしと受け止め14:50ペテガリ山荘に到着した。

9/23(土)03時起床し03:50出発。計画書では05時30分に出発し16:30にペテガリ山荘に戻るように計画されていた。ヤマレコで山行タイムをチェックしてみると標準タイムに休憩を入れると13時間の山行となる。何とか明るいうちに戻ってきたいと考え、出発を前倒しし04時とすることにした。同宿の登山者たちが次々と出発して行く。我々もヘッテンを点けてスタート、登山道は沢が絡んだルートで分かりにくく周囲を慎重に見極めながら歩く。日の出前だが徐々に足元が見えるようになってくると眼下には美しい雲海が広がっていた。白樺のすき間から山も見えるようになり目指すペテガリが見えてきたのだが随分遠くに感じる。ご来光に染まるペテガリを見ながら好天を確信し朝食を摂った。

ペテガリは簡単には登らせてはくれない奥深い山。

山頂に立つためには三つのピークを越えなければならい。スタートからアップダウンを繰り返し150分掛けて最初のピーク1050m、これを降りそして登り、93分掛けて1293mのピーク、そして、また降り、また登ること99分で1301mのピーク。そして、ここからまた降りて山頂へは500mの急登が待つ。

日高の女王様には3つの前衛峰を越えなければ手が届かない山なのだ。

ずっと山容を眺めながら登ってきたのでどんな起伏なのかは分かっているつもりだった。しかし、喘ぎながらの登りにニセピークだと分かっているのだがピークであって欲しいと願いたくなる。「まだ、もう少し…。」を繰り返し、やっと標識らしき物が見えてきた。本当にもう少しの所まで登ってきた。金Kさんは大丈夫か振り返る。T男さんが背負ってきたアタックザックを金Kさんが背負い、金Kさんの大きなザックをT男さんが背負っている。T男さんは納Yさんに背負ってほしかったと云っていたがさすがCLだ。

スタートから8時間、ペテガリのピークに到達した。

ピークでカメラを準備して二人を待つ。金Kさんと最後尾でサポートしながら登ってきたT男さんが少し遅れて到着。金Kさんの目には光るものがあった。何年も想っていたペテガリに75才での初登頂が叶った瞬間だった。それを見てこちらも胸が熱くなった。若者でも簡単ではないアップダウンを何度も繰り返すこの山の厳しさを克服するためにどれほどの強い思いで登ってきたかその想いは充分に理解できる。自分が金Kさんと同じ年齢になってこの山に登れるだろうか…。

 

金Kさん、素晴しい頑張りでした。おめでとう!! 

T男さん、金Kさんのサポートありがとうございました。

T男さんも初登頂おめでとうございます!!。

そして、僕自身にも初登頂おめでとう!!

ご褒美は日高の山々の大展望だ。

目の前の1839峰とそれに連なるヤオロマップ岳、コイカクシュサツナイ岳に続く稜線が美しい。その奥にカムイエクウチカウシ山、そして幌尻岳があるはずなのだが…。

後方を振り向くとベッピリガイ山と中ノ岳、その奥には大きな神威岳…。

せっかく登ってきた山頂にしばらく居続けたいと思ったが雨雲の動きが早く風向きが変わり急に気温が下がってきた。名残惜しいが大展望を目に焼き付け下山開始。

少し降りると黒い雲に運ばれてきたのか、大粒のあられが降りだし、その後一時的に雨も降った。ペテガリからピークハントの祝福の手荒い歓迎か…。

ペテガリ山荘へ向かう道もアップダウンを繰り返し、徐々に暗くなった足元に注意し丁寧に下山する。日帰りの山行でご来光も日没の夕日も見られるなんて過去にあったかなぁ…、などと思いながら6時間、真っ暗になった登山道をペテガリ山荘に向かった。

山荘直前で近づいてくるヘッテン。翌日ペテガリを目指す塩Iさんと佐TKさんが迎えに来てくれた。緊張しながらの下山だったが仲間との笑顔の出会いに疲れが一気に晴れたように感じた。

18:30ペテガリ山荘に無事到着し山行完了。

20:00頃まで焚火のそばでペテガリ情報を提供しつつ夕食を摂った。

 

9/24(土)朝は混むのでペテガリを目指すパーティが出発した後に起床しゆっくり出発する事とした。

この日の帰りは沢に入らなくても良い登山道でも沢に入り、今年最後の沢歩きを楽しみながら登山口を目指した。

ペテガリを踏破した達成感なのか、テンションが上がっていたのか疲れを感じることはなく下山完了。

この日は金Kさんのお誕生日。

連日のお祝い尽くめの山行でした。

膝の不調で急遽参加できなくなったR千子さん、全員無事ペテガリを登りましたよ。計画ありがとうございました。

T男さん、お世話になりました。

金Kさん、ペテガリ踏破おめでとうございました。やっぱ、レジェンドですね。

当会には良き先輩たちが居てくれます。

年齢も上がってはいるけど、モチベーションも上がっているかも…。

今回の山行で改めて山はライフワークだと強く思いました。

また、良い目標が出来ました。

皆さん、ありがとうございました。