2019-07-27 南日高 ペンケ札楽古川~楽古岳

【山名・コース】南日高 ペンケ札楽古川~楽古岳

【期間】 2019年7月27日(土)~28(日)前夜泊(金)【天候】曇り/快晴 

【形態】 A・  ・ P ・ 他

【性別】 男性 2名 女性 3名

【メンバー】千 他の山岳会の会員4名

【山行形態】 尾根 縦走 沢登 岩登り 登攀 山スキー 

【地点時間】7/27 5:30前泊地発6:45林道車止め7:30ペンケ札楽古林道出発9:00沢渡渉12:30c590テンバ探し13:00c530に戻りテンバ決定・設営

7/28 5:15出発 7:30c850二股8:40c985二股10:40Ⅽ1200薮夏道

11:40楽古岳ピーク(1472m)15:20下の沢へ17:40車へ帰着

〔記録者〕   千

 

【短信・感想】   千

天馬街道を走って、日高山脈の真下を通る野塚トンネルの傍、前泊地の翠明橋公園に着いたのは、夜の8時過ぎだった。中央のN・I 両ベテランさんと初めてご一緒するという緊張感・・・に悩むこともなく、和やかに語らい「身体、柔らかいね!」と、ビックリしてもらい、沢の旅が始まった。今回は、沢の中でテント泊だから所謂「全装備」担ぐ。何はともあれ軽量化が大事と、快適さはある程度切り捨てる覚悟で荷物を用意した。

 CLのまっさん曰く「今回はミッチー史上最高にムズイ沢なんじゃない?」だって。

そんな脅しにも耐えて、グイグイ行って来たゼ!心躍るエピソードも満載だ。

その1:舞茸・・・超一級品の大株を収穫。入渓後、少し林内を進んでいた9時半頃だ。

足元に直径30㎝は下らぬ球形の物体を発見した。採取したNさんの笑顔と言ったら!一気にパーティのテンションが上昇したが、私が本当に嬉しかったのは、それを(半信半疑ながら)食材にしてからの、本当に美味しい逸品だという事がわかった時。夕食のカレー、朝食のにゅうめんに、大量投入して一片たりとも残さずに賞味しきった。デパートで売れば、一万円だったな。味・香りともに優れて、食感も柔軟な襞部とコリコリした根元部の両方が楽しめた。キノコで字数を使い過ぎだ・・・。先に進もう!

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その2:たき火・・・テン場は、慎重に検討して選んだ。Ⅽ590まで登ってみたが、好適地が探せず、Ⅽ530まで戻る。増水しても心配のない小高い場所にテントを張り、河原の流木を拾い集めて薪とした。時折小雨の落ちてくる空模様の下、細い枝と雁皮を巧みに使って見事にたき火を起こしたのは、やはりNさんの年季が入ったゆるぎない技術。火は眺める者の瞳に映り、パチパチごうごうと耳に響き、原始的な本能的な喜びをもたらした。

濡れたお尻炙りが最高で~。着替えなくても済んだのは、本当に快適で有り難かった!

その3:満天の星空・・・19時には就寝して、テントを打つ雨の音を聞いていたのだが、深夜目を覚ましてトイレに出ると、完璧な暗闇に煌めく星空とミルキーウェイだった。

その4:滝・滝・滝・・・・翌朝、Ⅽ590までは昨日上った沢部分だが、その先ずっと。

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次から次へと、連瀑帯が続く。カメラを構えている暇は無いのだ。先行者に遅れまいと、とにかく足元を確かめつつ安全に登ることだけに集中した。Iさんは難なくスイスイと先頭を進むし、ルート取りも確実だ。経験値がモノを言うな~、ほぼミスの無い選択を重ね危なげない一歩一歩で滝を登って行った。滑る濡れた岩では、後続のサポート

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で越えて行き無難にロープを出してくれた。微妙な一か所を、そんなロープで安心して越すことが出来る。四俣、二股、二股と地図通りに地形と標高を確認して、右へ右へ。途中咲いている花にも癒されつつ、どんどん標高を稼いで行った。傾斜があるから本当にサクサクという感じだった!気持ちいい滝登りも、Ⅽ1200まで来るともう終盤となりいよいよヤブ突入。夏道にサッサと出よう、と進行方向を定めてガワガワザワザワ・・・。笹とハイマツ、時折ハンノキかダケカンバを掻き分けて進んだ。荷物の重かったYちゃんは、ここが辛かったのだ、遅れると一人薮漕ぎはシンドさもひと際に違いない。笛と声で呼び合って、何とか合流し、遂には楽古岳の頂上へ!

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その5:ピークでの思いがけない再会・・・三角形に尖った楽古岳ピークでは、我々とは逆側のコースから来た御一行が、とても賑やかにくつろいでいた。その中に、かつてインドアクライミングで毎週ロープを結んでいた旧友を見つけて感激の再会をした!道岳連の女性パーティ企画登山でここに来ていたとのこと。握手をして、記念撮影におさまった。風を避け、エネルギー補給をして下山開始した。時刻は丁度お昼どき。

その6:今回の核心部は下り!・・・事前の地図読みでは、楽古岳から破線が伸びる夏道を、ひたすら辿って下りるだけの【何気ない感】しか見て取れずにいたが、実際のルートは酷いものだった。僅かに空いている足元の空間を頼りに、ひたすら両腕でかき分けながら進み続ける廃道寸前の夏道。GPSとコンパスと地図を頼りに、ここもまたIさんが先導役。鹿道と交錯してダニにまみれる我らだった。激闘12時間を過ぎて、ようやく夕方の5時半。昨日停め置いた車から取りい出したる富良野のスイカ黒小玉。5人に切り分けて赤い果実をむさぼり食す!頑張ったごほうびに丁度いい、うれしいスイカだった。

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 この後、三ツ石♨で汗を流し遠路ひたすら札幌へ戻ったのは、日付も変わる頃となっていた。以上、1~6ポイントで沢@日高の満喫記録でした。