【山名・コース】キリマンジャロ(5,895m)&サファリパーク
【期間】 2019年12月19日~31日
(キリマンジャロ山行12/21~26、サファリパーク12/27~29)
【天候】 山行中:12/21~24雨模様、25アタック晴天、26ゴール手前二時間 雷&スコール
サファリパーク:晴れ・時々曇り
【形態】 (A)・ C ・ P ・ 他
【性別】 男性 4名 女性 2名
【メンバー】 CL納、SL二(理)、二(輝)、千、赤、洞(旧会員)
【山行形態】 (尾根・縦走)
【地点時間】〔記録者〕洞
記録次頁
【短信・感想】 納
憧れのキリマンジャロに行ってきました!!
羽田23:50発 ドーハ経由 キリマンジャロ国際空港には翌日14:10到着。時差6時間なので日本時間20:10。新千歳出発から24時間超の長旅でした。とにかく全員がアフリカの大地に初上陸。初めてのこの地ですが厚かましくもアフリカ大陸最高峰、独立峰世界一のキリマンジャロ踏破を目指します。
思い起こしてみるに6~7年前会山行で大雪を山行している時に元会員の女性からご両親も山登りをしていてキリマンジャロに登ってきたと聞き、我々の年代でもキリッマンジャロに登れることを初めて認識した。当時は60才、その頃は65才になれば退職するだろうしそれからチャレンジできればと漠然と思っていた。しかし、65才を迎えたが未だ現役・・・。退職まで待っていては体力が心配、止む無く年末年始の休暇を利用した日程を計画し会山行として募集した。参加メンバーの希望とも合致し年末の山行となった。
キリマンジャロへの旅は「一般人ができる世界一過酷な旅」と云われるらしい。山岳会に所属する我々がここで云う一般人に当たるか否かは不明だが単なる観光、ハイキングでない事は明確だ。
予算は、航空費:12.7万円(JALコードシェア便、カタール航空正規料金)、キリマンジャロ登山:1,500$、サファリパーク:870$、オンラインビザ:50$、チップ(サファリパークを含めて):300$、他に含まれていない2回の夕食代と飲み物代、お小遣い・お土産代。同じ時期にキリマンジャロを計画していた洞さん曰く、商業ツアーとは数十万円の差があるとの事だった。
ルートは6ルートあるが我々は唯一山小屋を利用する“マラングルート”を選択。日程は、高山病対策として三日目に高度順応を入れた五泊六日とした。5月から現地と日本語で交信が出来る数社と連絡を取りコストと計画を情報収集したが各ルートの行程は各社すべて同一でキリンマンジャロスタンダードのようだ。
帰ってきてから、どんな山?と聞かれて「四日かけて藻岩山を9つ登ったら、そこに富士山5合目が出てきて、4~5時間の仮眠を取り1,200m登って外輪山を半周したところにピークがある」と答えたが云い得ているかどうかは何とも云えない。只、四日掛けて4,700mまで標高を稼ぎ、当日0時にウフルピークを目指しアタック開始、ギルマンズポイント(5,685m)、ステラポイント(5,756m)の二つのピークを経てウフルピーク(5,895m)へ。ピークハント後は急斜面を降り当日中に3,720mの山小屋までほぼ36時間の行程だ。
洞さんの記録を参照願いたいが、12/24 05時起床、07:30ホロンボハット(3,720m)を出発。緩い砂漠帯の登山道を8時間半掛け標高1,000mUP、16:00キボハット(4,700m)着、到着後アタック装備を整え、18:00まで休憩、僕は夕食まで熟睡できた。18:00~夕食&ミーティング、その後は仮眠・休憩だが睡眠すると呼吸が浅くなり高山病の症状が悪化すると云われており悶々とした時間を過ごす。ダイアモックスの影響でトイレへ行く回数が多いが、その時見上げる夜空は星がこぼれて来るように思えるほど美しい。
23:00軽い朝食(おかゆ)、この時のために残しておいた“だし香る納豆”と“なすの味噌汁”でしっかり腹ごしらえをした。
12/25 00時~アタック、ピークハント後キボハット経由でホロンボハットまでの急斜面の登下降がキリマンジャロ山行最大難所だ。単純に云うと5,895mまで1,200m登って、2,200m下山する。北海道最高峰は2,290m旭岳、北海道で1,200m登れる山は多数あるが登頂後に2,200m降る山はない。足が持つだろうか…、膝が持つだろうか…、高山病は…、酸素量が半分以下と云われる5,000m超での呼吸は…、不安が募る。
計画段階でキリマンジャロ登山をネットで検索し読み漁った。結論は大丈夫!!
ピークハントの戦略は“ポレポレ!!”。“ポレポレ”はスワヒリ語で「ゆっくり、ゆっくり」。ピークまで“ポレポレ”だ。それと「ハクナマタタ!」、沖縄弁では「なんくるないさ~」、ライオンキングでは「大丈夫、問題ないよ、どうにかなるさ」の意味で使われている。
予定通り12/25 00時最終キャンプ地キボハット出発、07:30ギルマンズポイント(5,685m)、みんなで記念撮影。しかし、メンバーの中に体調変化の兆候が現われ全員一緒だったのはここまでだった。
僕はメンバーの状況を確認しながら最後尾からウフルピークを目指した。ステラポイント付近で洞さんが断念。この場所では生命の危険も伴うため自己判断を尊重するしかない。ウフルピーク手前100m位のところではピークハントした二 夫妻と交差。
お互い笑顔で称えあい、一緒に記念撮影したいところだが呼吸もままならない6,000mではそうも行かない。ガイドと共に09:50ウフルピーク到達。
白人メンバーがトナカイの帽子をかぶりクリスマスモードの記念撮影をしてはしゃいでいた。ピークを交代してくれ、ガイドのグッドラックと記念撮影。身長2mほどのグッドラックが暫く倒れていた。ピークまでチーフガイドとして案内しホッとして疲れが出たのか僕の方が元気に感じた。ガイドにとってもアタックの日は満足な睡眠時間が取れず事故なく誘導しなければならないため可なりのプレッシャーがあるようだ。
ウフルピークからは青空に映える氷河、雪原の景観を堪能しながらギルマンズポイントへ。ウエーターの彼が我々をお茶を用意して待っていてくれた。有難い。気持ちを入れ替え、急斜面を一緒に下山した。彼らの降りはポレポレどころではないスピードだ。お陰で順調にキボハット12:40着、昼食を終え13:30出発し16:50ホロンボハット到着。
夕食にはガイドからスパークリングワインの差し入れがありサミットメンバーで乾杯した。
翌日は出発時点では晴天、キリマンジャロがくっきりと顔を出し、ジャイアントセネシオと我々を見送ってくれた。花の写真を撮りながらゆったり登山口を目指したが残り2時間のところで雷、これまでに無いような大雨となり最初と最後は雨天で締めくくった。
帰りのバスの中では16名のガイド・ポーターたちがキリマンジャロ、マサイ族の歌を合唱してくれた。
翌日からはサファリパーク。象、キリン、シマウマ、ライオン、ハイエナ、水牛、ヌー、カバ、イボイノシシ、水辺はピンクに色が変わるほどのフラミンゴの群れetc。
サファリの野生の動物たちが期待を裏切らず現われ目の前を闊歩し、我々を歓迎しキリマンジャロ踏破の疲れを癒してくれた。
アフリカ遠征、キリマンジャロ踏破は百松山岳会として初の快挙。6,000mに挑んだメンバーの勇気に敬意を表します。キリマンジャロ、素晴らしい山でした。興味のある方は是非チャレンジしてください。応援ありがとうございました。
- トレーニング山行忘備録
6月:暑寒別岳、大千軒岳 7月:夕張岳、白雲山・東ヌプカウシヌプリ 8月:富士山4コース踏破2往復 9月:利尻岳 10月:羊蹄山比羅夫コース 11月:羊蹄山 真狩コース 12月:藻岩山(早朝)
キリマンジャロ登山マラングルート6日間日程
日付 |
時間 |
活動 |
食事 |
宿泊 |
20 Dec |
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キリマンジャロ空港着。ドライバーがお迎えして宿へお送りします。 |
機内 ― |
Venus Premier Hotel |
21 |
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朝食後、マラングゲートへお送りします。 公園ゲートにて登山スタッフと合流。 入山手続き後、登山開始。 森の中を歩いて行きます。道端の花や小川の水の流れを聞きながら、のんびりと歩いてください。途中休憩地点で昼食を。 ゲート―マンダラ行程5時間 森は1年中雨の降りやすい場所ですので雨具を忘れずに。 |
朝 昼 夕 |
Mandara Hut (2720m) |
22 |
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登山2日目 森林限界を越えて行きます。その前に運が良ければコロバスモンキーが出迎えてくれます。 森を越えると、低木地帯となり高山植物が多く現れます。 途中の休憩地点にて昼食を。 マンダラ―ホロンボ行程7時間 森を抜けると天候による寒暖の差が激しくなります。 防寒具・日焼け止め対策を。 |
朝 昼 夕 |
Horomobo Hut (3720m) |
23 |
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登山3日目 高度順応日 午前中ゼブラロック(4000m前後)まで3時間程度のウォーキング、お昼をロッジで取り、午後休憩。 |
朝 昼 夕 |
Horombo Hut (3720m) |
24 |
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登山4日目 植物の姿も消えて行き、砂漠のような景観になります。 地表の水もなくなり、乾いた場所です。 途中の休憩地点で昼食。 ホロンボ―キボ 行程6時間 早めの夕食を取り、その後仮眠を。 11:30起床。軽い朝食(おかゆ)を用意します。 12:00登頂アタック開始 |
朝 昼 夕 |
Kibo Hut (4720m) |
25 |
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登山5日目 登り:キボハット⇒ギルマンズポイント(3,685m)⇒ステラポイント(3,756m)⇒ウフルピーク(3,895m) 7時間 下り:ウフルピーク⇒キボハット(4,720m)⇒ホロンボハット(3,720m) 5時間 |
朝 昼 夕 |
Horombo Hut (3720m) |
26 |
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登山6日目 下山 ホロンボ―ゲート5時間 (途中マンダラハット(2,720m)で昼食) マラングゲート(1,700m)で登頂証明書を受け取ります。 アルーシャの宿へお送りします。 |
朝 昼 ― |
Venus Premier Hotel |
27 |
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朝アルーシャ発、タランギレ国立公園へ。 サファリドライブ後、ンゴロンゴロのロッジへ夕方到着。 |
朝 昼 夕 |
Ngorongoro Coffee Lodge |
28 |
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お弁当を持ち、終日ンゴロンゴロクレーター内をサファリドライブ。 |
朝 昼 夕 |
Ngorongoro Coffee Lodge |
29 |
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朝食後ンゴロンゴロを出発、アルーシャへ戻ります。 アルーシャコーヒーロッジにて昼食後、空港へお送りします。 出発15:20 |
朝 昼 機内 |
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キリマンジャロ登山他行程時間記録
作成者2020年1月4日 洞
12/19 新千歳空港 二 夫妻17:00 納・千・洞18:00 赤20:00発にて出発
羽田国際空港出発ロビーにて全員集合 ⇒23:50カタール航空QR813にて出発
12/20 タンザニア 晴 現地時間06:40 DOHAハマド国際空港着 ⇒08:00同空港QR1357 発
14:10 キリマンジャロ国際空港着 チーフガイド:グットラック 出迎え
17:20 アルーシャ ビーナスプレミアムホテル着
12/21 曇~雨 08:10ホテル発(登山ガイドコックポーター16名も同乗) 11:15マラングゲート着 (手続・昼食)⇒ 13:15マラグゲート発 ⇒ 18:10マンダラハット着
12/22 10時頃から雨 07:40マンダラハット発 ⇒ クレータ立寄り ⇒15:10ホロンボハット着
12/23 朝から雨(高度順応日)ホロンボハット発⇒10:30ゼブラロック11:00⇒11:50ホロンボハット着
12/24 おおむね曇だが雨時々あり
07:30ホロンボハット発 ⇒16:00キボハット着 ⇒ 夕食後18:00登頂ミーティング
⇒20:00仮眠 ⇒23:00 登山準備軽食(おかゆ)⇒23:55 屋外にて準備
12/25 14時くらいまで晴天、以降雨 00:00キボハット発⇒07:30ギルマンズポイント(5681m)
赤さん、千さん(下山)、07:50⇒二 夫妻、納さんウフルポイント(山頂5,895m)へ
洞ステラポイント5,756mから上部100mほどで断念下山開始 ⇒(各自ガイド帯同し下山)
⇒キボハット全員集合休息軽食後⇒(雨)⇒16:50ホロボハット着
⇒夕食時レストランにてお祝いのスパークリングワイン ガイド達から差入れ 美味!!
12/26 午後雨、激しい雨 07:40ホロンボハット発⇒マンダラハットにて休憩
⇒14:10マラングゲート着⇒(モシにてお土産店立ち寄り)⇒18:30アルーシャのホテル到着
12/27 晴 08:30アルーシャ発 ⇒11:00タランギレン国立公園15:30⇒16:10マサイ族観光村16:50 ⇒18:00 コンドミニアム ンゴロンゴロ コーヒーロッジ着。
12/28 昼前後雨 08:20ホテル発⇒09:50ンゴロンゴロ展望台
⇒10:50ンゴロンゴロ自然保護区(クレーター内)15:10⇒16:40ンゴロンゴロ コーヒーロッジ
12/29 概ね晴れ 08:05ホテル発⇒11:00アルーシャのコーヒーロッジ昼飯11:50 ⇒12:00スーパーマーケット買物 12:30⇒14:10キリマンジャロ国際空港着⇒15:15カタール航空QR1357
⇒24:00 DOHAハマド国際空港着(乗継ぎ)。
12/30 07:50 QR812発⇒22:30羽田国際空港着
荷物受取り入国審査後(3Fロビー乗り継ぎ時間待ちミニ宴会)
12/31 04:50 羽田国内空港第一ターミナルへ移動⇒06:45新千歳行JL50 18:10⇒09:00荷物取り解散
【短信・感想】 赤
今回のキリマンジャロ登山の結果は、5,681mのギルマンズポイントで終了した。今回の感想は、この当たりの状況をまとめてみたいと思う。登山開始から3日目のホロンボハット→ゼブラロックを目指しての高度順化までは順調だった。しかし、4日目のキボハットを目指す行程の4,300m付近から、頭痛、肩こり、息苦しさが始まった。思い返せば3年前のネパール、アマダブラムBCへのトレッキングでも同様の高度で高度障害が発生したことが思い出され、その時は4,800mが最終の目的地であったため、頭痛を我慢して何とか目的を達成することができた。
その後、ゆっくりとしたペースで4,700mのキボハットのベースに到着したが、頭痛、胸のむかつきはその程度を増すばかりで、ここからの下山も意識するほどの状況となった。小屋の中でも血中酸素濃度は70を切っており危険信号がでていたため、ほとんど寝ない状況で腹式呼吸を繰り返し、何とか23時の行動開始時間を迎えることができた。体調としては、小屋到着時よりも若干、改善されたような気がしたので行けるところまで行って無理ならガイドの指示に従って下山する覚悟で準備を進めた。しかし、食欲は全くなく口にできたのはデザートのパインと日本から持参のジェルを口に入れて行動を開始する。
前日までは天候が不順でキボハットから上はガスのため山のイメージは全くできない状況でのへッドライトをつけての登山となった。今回の登山は、自分主導の山行ではなかったためお任せの気持ちが強く、具体のルートや行程のイメージが希薄であり勉強不足とモチベーションの維持ができていないことを痛感する。そんななか、徐々に高度を上げていき、苦しい中でもガイドやポーターの歌の応援に力づけられ登っていくが、いつまで経っても同じような登りが続き、上部に見え隠れする他の登山者のヘッドライトも近づかない。高度5,000mを超えた当たりからは、苦しさや頭痛を通り越して眠たくなってきてしまった。また、歩いている最中に記憶が1~2秒飛ぶ状況が発生しはじめた。そして休むたびにその場で眠たくなるとても気持ちの良い状況が出現してきてしまった。
そうこうするうちに日が昇り周りの景色が見えてくると多少元気もでてきて、ついに7:30にギルマンズポイントに到着することができた。しかし、自分としてはいつもピークにこだわる方なのに不思議とウフルピークにこだわる気持ちが湧かず、即下山することを受け入れてしまった。その時の気持ちは今となってもよく分からないが、推測するに身体が限界を感じたことによる防御反応により、何ら心の葛藤を経ることなく下山したような気がするし、その説明が自分自身を納得させる最も腑に落ちる説明のような気がする。
それでも下山の途中では休憩の度に眠り込む私に対してポーターのベンジャミンが励ましてくれ何とかギボハットまでたどり着き、そこでも皆が下山してくるまでも睡魔が襲い寝こけていた。そこからホロンボハットまでは元気に歩いたつもりだったが、そのままベットで眠ってしまい、何度か目が覚めたが結局夕食をとることなく寝どおしてしまった。
そこからは通常の体調に戻ったようで、マラングゲートまで元気に下り、サファリのゲームドライブでは、大自然のなかでのアフリカ象、キリン、シマウマなどの大群やライオンやハイエナの親子を間近に見ることができたり、シマウマ、水牛、ヌーなどの草食動物の大群、何万羽もいるフラミンゴの群れなどを堪能することができ大きな感動を得ることができた。
以上が私の雑感であるが、長い旅の最も濃密な山頂アタック前後の状況を書かせていただいた。高山病については、人それぞれのポテンシャルやその時の体調で個人差があると思う。自分の体験に基づく感想としては、前回のネパールと同じく4,000mを超えた当たりから高山病の症状が出現し、5,000mを超えた当たりでは意識障害が出てくることは大きなハンデキャップであり、このことは私の遺伝的形質(喘息家系)と30代までの喫煙習慣なども影響しているように思える。
また、今回、ウフルピークの頂上を踏むことができなかった大きな要因としては、「何故、キリマンジャロなのか。」、「本当に登りたいのか。」といった切実な思いが自分自身にあったのかを問うてみたとき、EPを使うわけではなくゆっくり登れば行けるという安易な心があったように思う。もちろん「思い」や「根性」だけで登ることはできないし、高山病にも十分に注意しなければならないが、一方で「絶対に登りたい。」という強い意志も絶対に必要であると思う。私の今回の心残りがあるとすれば、キリマンジャロに対する自分自身の覚悟が十分ではなかったことが考えられる。
もっとも、帰国して10日が経った今にして思えば「それも人生、これも人生、ポレポレ」かなあ、と思えるようになってきている。次に目指す人にアドバイスとして送りたいと思います。
いずれにしても、今回はメンバーとして初めてアフリカの地を踏むことができ、登山やサファリはもちろん、現地の住民の日常生活やマサイ族の暮らしなども垣間見ることができ、これからのアフリカ諸国を見る意識が大きく開かれたような気がする。やはり現地に行って現地を見ることが人としての視野を広げることができると改めて感じたところである。これからも子供や孫には見聞を広めるよう伝えていきたいと思ったところです。
【ヒヤリハット】
ギルマンズポイントから先は火口の外輪山の急傾面をトラバースし尾根を目指す上り下りの雪道。滑落すると火口までは結構な落差がある。もう少し雪が多ければアイゼンがあった方が安全。ガイドもクランポンがあれば使った方が良いと云っていた。